群馬県立精神医療センター医療観察法 小規模病棟整備事業

プロポーザル
病棟

佳作
2010年

設計コンセプト
社会復帰を目的とした治療を行うために見守りのなかに、開放的で明るく、生活感のある他者とのふれあいが生まれる環境をつくりだします。


A 見守りのなかに、生活と治療の為の様々なスペースを小さな街のように魅力的に配置します。
各治療ユニットは見守りの度合いにより、スタッフステーションとの位置関係を決めています。
開放的な雰囲気の環境の中で、対象者は日常生活能力と社会生活能力を回復していきます。

そのスペースを、他者との様々なふれあいが生まれる空間としてしつらえます。
対象者は他者とのふれあいにより、良質な人間関係による共感と信頼を積み重ねて自律性を育んでいきます。

そのスペースを、陽の光で満たします。
陽の光は生活にリズムを与え、対象者は規則正しい生活を送ることができます。
健康な心身を取り戻すことで、治療への意志と社会復帰への意欲が生まれます。


B 多職種チームのコニュニケーションの為に、管理治療エリアの諸室を効果的に配置します。
客観性と透明性のある治療を行う為に、多職種チーム(医療・司法・行政)の密接な連携を円滑に行うことができるようにします。
スタッフステーションを中心に執務室・カンファレンスルーム・会議室・文書庫などが効果的に短い動線でつながります。


C 医療観察法だけでなく、関連法令等(※障害者基本計画・障害者自立支援法・国際連合障害者権利条約など)の主旨を十分に理解して細部に至るまで設計を行います。
『障害の有無にかかわらず国民が相互に人格と個性を尊重して安心して暮らすことのできる地域社会の実現』